小学校受験で『行動観察で光る子』というようなワードを聞くことがありますよね。
うちはもじもじ子だったので、本人は「行動観察」の授業は苦手だったようなのですが
行動観察は「おとなしいからNG」「目立つからOK」というわけではなさそうです。
今回は、私が約1年半に渡り「行動観察」のクラスで見てきた実例を交えながら
私の目から見て「光っていた」子の特徴をお伝えします。
行動観察で光る子
提案できる子
お友達と協力して何かするときや、
自由遊びをするときに
自分はこれがやりたいから、やろう!と我を貫いて、周りをどんどん巻き込んでしまう子 や、
いつも王様、お姫様として幼稚園や保育園でお山の大将になっているタイプの子については
目立つは目立つけれど、行動観察では良い意味で「目立つ」のではないと先生から伺いました。
そういうタイプのお子さんがお好みの学校もあるかもしれないし
テスターの先生が個人的にそういう強烈なリーダーが好きということもあるかもしれませんが
「協調性がない」「わがままに育っている」というイメージがつく可能性があります。
一方
- 「私はこれがいいかなと思うんだけど、あなたはどんなのがいいと思う?」
- 「こんな風にしたらいいんじゃない?あなたも何かアイディアがあったら教えて!」
などなど、提案しつつ、相手の意見も聞くことができると
ちょっと目を引く存在になるのではないかなと思います。
※お教室の先生は、どうしても我を通してしまうお子さんに対し
「自分の意見を言う前に、お友達の話を一応聞いて『それいいね!でもこれはどう?』と言ってから自分の意見を言いなさい」と指導されていました。
私の目から見ていて印象が良かった子は
全員の意見を聞いて(引っ込み思案なうちの子にも一応「あなたは?」と話を振ってくれて)、それを踏まえて、「じゃあ、みんなの意見をまとめると~~がよさそうかな」とまとめてくれていました。
これぞリーダーシップというのでしょうか。
うちの子には絶対できなかったことなので、羨望のまなざしでみていました。
優しい子
もう当たり前のことなのですが優しい子って、評価が高くなると思います。
行動観察でよくある「猛獣狩りゲーム」で『5人組になって、手をつなぐ』という課題のとき、一人だけどのチームにも入れずに独りぼっちになってしまった子がいました。
その子は、悲しくてぽろぽろ泣いてしまったのです。
行動観察受講生あるあるで、
「大丈夫?」「泣かなくていいよ」などと口だけで励ます子はたくさんいます。
しかし、ほとんどの子は「こういうときはこう言いなさい」と行動観察で習っているから言っている・・という雰囲気です。
そんな中、1人の子だけがさっとその泣いている子のそばに立って
小声で(これポイントです。わざとらしさや先生へのアピール感がなくて好感が持てた)
「大丈夫だよ。私が先生に『このグループだけ6人でもいいですか』って聞いてくるから待ってて!!」と言ったのです。
泣いていた子も「ありがとう」と言っていました!
これが本番の考査だったら、間違いなく、この優しい子はマルをもらっていたでしょうね。
楽しそうな子
何事にも素直に、楽しそうに取り組んでいる子は私の目から見ても魅力的でした。
ゲームをすれば、思いきり笑って積極的に参戦し、読み聞かせをしてもらえば、面白い箇所で大笑いする。
その屈託のない明るさや子供らしさは、母性や父性をくすぐります。
はめをはずしてはしゃぐとか、騒ぎすぎて周りが見えなくなる…ということではなく
「お教室の先生に褒められなきゃ」
「ママに怒られないようにしなきゃ」というような邪念がなく
ただただ、目の前のことを素直に楽しんでいる姿がとても魅力的でした。
真面目な子
うちの子は唯一、これに当てはまったかもしれません。
親ばかですが、うちの子もとっても優しい子です。
でも、行動観察の場では、泣いているお友達がいても
そっと肩を触ってみたり、心配そうに顔をのぞき込んだりしているだけで、
あまり目立ちませんでした(笑)
でも、ひたむきな真面目さは、大げさな動きがなくても
テスターにも参観中の保護者にも伝わってくるものだと思います。
ひたむきで真面目な子というのは
- 先生がおっしゃったルールをきちんと守る
- 順番も抜かさない
- 自分がやるべきことはきちんとやる
- 真面目にこつこつと、最後まであきらめない
- 次にどうしたらいいかじっくり考える
- 最後までやりぬく
こんな子たちだと思います。
おおらかな子供らしいひまわりのような魅力はないのかもしれませんが
きっと学校の先生から見たら、教え子として「いてほしい」タイプだと思われるのかもしれないなと思いました。
つまり行動観察とは
よく行動観察の教室などでは
「圧倒的なリーダーシップを身につけられる」「行動観察重視校で光る子を育てる」等々のセールストークがありますが
行動観察重視校って結局、何をもって採点しているのか、明確な基準もないわけで
リーダーシップがあればいいわけでもないし、何をもって子供が光っていると判断されるかも、テスター次第、学校次第ということですよね。
私がお世話になっていたお教室のひとつの先生は
「幼稚園や保育園で問題なく集団生活ができていれば、別に行動観察対策は必要なし」とおっしゃっていました。
私も半分はこの意見に賛成です。
なぜ半分だけかというと、行動観察考査にはただお友達と遊ぶ、共同作業するというテーマだけではなく、生活巧緻性、模倣ダンス、絵画工作等々、いろいろなテーマが含まれるからです。
でも自由遊びや集団でゲームなどをするという点については
保育園や幼稚園で、お友達とトラブルが少なく、普通に楽しめている子であれば
悪目立ちする心配はないのではないかなと思っています。
また、うちの子のように極度の場所見知りや人見知りのあるもじもじ子は
なるべく多くの行動観察の種類を経験しておいたほうが『慣れ』て安心するという意味で、行動観察のお教室は不可欠だったと思っています。
どうしても行動観察塾(行動観察クラス)にまで時間がかけられない、
そんな予算はない!というご家庭があったら
行動観察を単科でとれるゼミを受講したり、行動観察重視校の志望校対策模試を受けてみたりして
場慣れしておくことや、行動観察ってどんな問題がでるのかを知っておくことをおすすめします。
そういった枠の部分さえ知っておけば、あとは結局のところ、子供本人の魅力があれば自然と輝くものなのではないかな~と思います。
子供本人をどうやって輝かせるか。
それは、悪いところを直すよりも、良いところを伸ばすほうが簡単に輝きはじめます。
うちはもじもじがひどく、それをいかに直すかに注力するあまり、子どもに苦手なことばかり強いてしまい、かえって委縮させてしまいました。
途中からは、まじめさや、真剣にお話を聞く姿勢を褒めて褒めて褒めまくりました。
すると不思議なもので、本人は自信をつけるのか、もじもじも10月ごろには改善されていましたよ。
テスターも人間です。
よっぽど悪目立ちしなければ、
きっと子供たちひとりひとりの良いところを探してくださるのではないかなと信じています。